「今日も帰宅は22時…」
「この働き方をあと30年続けるのか?」
そう感じたことはありませんか?
現在、電気工事士や施工管理技士として現場の第一線で働いている方の多くが、このような悩みを抱えています。その転職先として人気なのが、安定して働けるイメージの強い「工場の電気設備管理」です。
しかし、実際のところ「残業はどれくらいあるのか?」「本当に楽になるのか?」と不安に思う方も多いでしょう。
結論から言うと、工場の電気設備管理の残業時間は、電気工事や施工管理に比べればコントロールしやすく、ワークライフバランスを改善できる可能性が極めて高い職種です。
私は大手化学メーカーの工場で電気設備管理を担当して9年になりますが、業務にも慣れ、「終わりの見えない残業」からは解放されました。この記事では、私の実体験を交えながら、工場電気管理のリアルな残業事情を解説します。
電気設備管理の実際の残業時間(現役担当者のリアル)
まずは、私が実際に働いている中での残業時間をお伝えします。
結論として、電気設備管理の残業時間は「比較的多い傾向はあるが、現場監督(施工管理)よりは圧倒的に少ない」というのが実情です。
私の年間・月間の残業実績
私のこれまでの実績をベースに、具体的な数字を公開します。
年間残業時間:360〜400時間程度
2〜3年目の若手時代は、不慣れなこともあり年間500時間ほど残業していましたが、現在は無駄な業務の排除や業務効率化を行い、この水準で安定しています。
月間残業時間(通常月):平均20〜30時間
私が勤務している工場の定時は8:00〜16:45ですが、18:00〜20:00頃に退社しています。工事が少ない時期や閑散期は20時間/月を下回ることもあります。
月間残業時間(繁忙期):平均40〜80時間
後述する「定修(定期修理)」などの時期は業務が集中するため、一時的に残業が増えます。定修時期は工場によっても違いますが年間で1〜2ヶ月程度です。
電気設備管理の平均的な残業時間はどれくらい?
電気設備管理の残業時間は、工場の規模や人員体制によって差が出ます。業界の傾向をまとめた目安が以下の通りです。
| 項目 | 大手メーカー工場 | 中小企業工場 |
|---|---|---|
| 通常月の残業 | 15〜30時間 | 20〜40時間 |
| 繁忙期の残業 | 30〜80時間 | 40〜80時間 |
| 特徴 | コンプライアンス意識が強く管理が徹底されている | 人手不足で一人あたりの負荷が高い傾向 |
大手メーカーは法令遵守の意識が高く、36協定の遵守が徹底されています。一方で、中小工場は一人で広範囲の設備を見る必要があるため、突発的なトラブル対応で残業が伸びやすい傾向にあります。
電気設備管理の残業が多い3つの理由
①定修・休転
工場の電気設備管理の仕事には、定修や休転といった工場の設備を安全かつ安定的に稼働させるために、あらかじめ計画された期間に実施される大規模な点検・整備作業があります。
その期間には、通常運転中には実施できない分解点検や部品交換、法定点検、老朽化設備の更新工事などをまとめて行うため、電気設備管理担当者は工事管理や現場対応のために残業が発生します。
定修は工場によって異なりますが、一般的に1~3年に1回の周期で数週間規模の停止期間を設けることがあります。ちなみに、私が担当している工場は3年に1回、2〜3週間程度の期間でした。
②夜間・休日の呼び出し対応
電気設備管理の仕事では、通常の日常業務に加えて、夜間や休日に突発トラブルが発生した際の呼び出し対応が発生する場合があります。
工場は24時間稼働しているケースも多く、受変電設備や高圧機器、制御盤、モーターなどの電気設備に異常が発生すると工場が停止する恐れがあります。そのため、重大トラブル時には電気担当者が緊急出動し、原因調査や復旧対応を行います。
呼び出しの頻度も担当する工場によって様々ですが、古い工場や停止が許容できない重要な工場の場合、呼び出し回数は多くなる傾向にあります。私が担当している工場では年間2〜4回の呼び出しがありました。
③大規模な設備投資
工場の電気設備管理の仕事では、会社の事業環境や工場の老朽化によって、生産能力の増強や新製品対応、老朽化設備の更新、省エネ化・自動化推進などを目的として実施される大規模な設備投資が発生することがあります。
大規模な設備投資は数か月〜1年以上にわたる長期プロジェクトになることも珍しくありません。通常業務(トラブル対応・日常点検・改善活動)をこなしながらプロジェクトも担当するため、一時的に業務負荷が大きくなります。
ちなみに、私が担当した案件では、受変電設備の更新工事が約1年続きました。受配電設備更新後の停電切替作業の前後は特に緊張感が高く、休日出勤や残業が増えたのを覚えています。
ただし、大型設備投資案件は常に発生するわけではありません。
定修と同様に「期間限定で忙しくなる」ケースが多く、案件が完了すれば通常業務の体制に戻ります。
また、大型設備投資案件は責任も大きいですが、その分やりがいもあります。
自分が主体的となって数億円規模の設備を更新するという経験は、電気設備管理者として大きなスキルアップに直結します。
他職種との残業時間の比較
電気工事士と施工管理をしている方に向けて比較表を作成しました。
| 職種 | 月平均残業時間 | 年平均残業時間 | 身体的疲労 | 精神的疲労 | 平均年収 |
|---|---|---|---|---|---|
| 電気工事士 | 10〜20時間 | 120〜240時間 | × | ○ | 400〜500万円 |
| 電気工事施工管理技士 | 30〜60時間 | 360〜660時間 | △ | △ | 400〜800万円 |
| 電気設備管理担当者 | 15〜40時間 | 300〜500時間 | ◎ | △ | 500〜800万円 |
電気設備管理は身体的な負荷が最も低く、かつ年収水準も高い傾向にあります。
「現場で手を動かすのは好きだが、将来の体力が心配」
「施工管理の激務でメンタルを削られたくない」
という方にとって、非常にバランスの良い選択肢です。
もしあなたが今こんな状況なら
・残業月60時間以上
・夜勤あり
・年収450万円前後
今の働き方に、どこか不安を感じていませんか?
このまま10年後も同じ働き方を続けるイメージが湧かないなら、環境を変えるタイミングかもしれません。
実際に工場の電気設備管理では、残業20〜40時間、年収500〜600万円を実現している人も珍しくありません。
私自身も若手時代は年間500時間近く残業していましたが、現在は年間360〜400時間で安定しています。
・平日の夜に自分の時間を確保できる。
・土日にしっかり休める。
・体力を消耗し続ける働き方から抜け出せる。
こうした生活を現実的に目指せるのが、電気設備管理というキャリアです。
残業が少ない「優良求人」を見極める3つの方法
転職後に「思っていたより残業が多い!」と後悔しないために、私が実際に転職活動をしていた際に実践した方法を解説します。
①求人票の重要ポイントを確認する
転職サイトなどの求人票には「平均残業時間」や「年間休日」などの情報が記載されています。
年間休日120日以上、平均残業時間20時間以内、完全週休2日制の記載がある大手メーカーは狙い目です。
②面接で「逆質問」を戦略的に行う
面接での逆質問は、実態を確認するチャンスです。ただし、「残業はありますか?」とストレートに聞くと「意識が低い」と誤解されるリスクがあります。次のように「業務への前向きな姿勢」を装って質問するのがコツです。
- 「1日のタイムスケジュールを教えていただけますか?」
1日の業務の流れを聞くフリをして、周囲が何時頃に退社しているのかを自然に聞き出せます。 - 「トラブル時の呼び出し体制はどうなっていますか?」
「責任を持って対応したい」という姿勢を見せつつ、当番制の有無や、実際の呼び出し頻度(月何回か)を具体的に把握できます。 - 「定修(定期修理)の時期は、どのような体制で乗り切っていますか?」
繁忙期の働き方をイメージしておきたい」と伝えることで、ピーク時の残業時間や応援体制の有無を確認できます。
③転職エージェントをフルに活用する
求人票や面接でも見えない「裏側」は、転職エージェントから聞き出すのが最も効率的です。
エージェントにしか話さない「本音」
エージェントは過去の入社者から「実際はもっと残業があった」「サービス残業が横行している」といったクレームも含めた内部事情を把握していることが多いです。
気兼ねなく聞けるメリット
エージェントは企業と直接つながっているわけではないため、聞きにくい「離職率」や「残業代が1分単位で出るか」といった内容も、あなたの評価を下げることなく代わりに確認してくれます。
まとめ
工場の電気設備管理は、定修などの繁忙期はありますが、電気工事や施工管理に比べて心身ともにバランスの取れた仕事だと思います。実際に私の後輩は、施工管理から大手メーカーの電気設備管理へ転職し、残業が月80時間から25時間になりました。
電気工事士や施工管理技士として培った「現場の知識や経験」は、工場側からすれば喉から手が出るほど欲しいスキルです。「今の状況を変えたい!」と感じているなら、そのスキルを「次のキャリア(設備管理)」へ転換するチャンスです。
次のステップ:まずは情報収集から
「今の自分の経歴で、どこの工場に応募できるのか?」 「電験三種を持っていれば、どれくらい年収が上がるのか?」
不安な方は、まずは電気専門の転職エージェントに相談してみてください。工場の内部事情を熟知したアドバイザーが、あなたの希望に合った求人を提案してくれます。
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あなたの技術は、もっと余裕のある環境で活かせるはずです。今日から、理想の働き方への一歩を踏み出しましょう!

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